菅政権1ヵ月に際して 連帯兵庫みなせん声明

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「安倍政治」継承した菅政権 “強権政治”を加速

「政権交代」めざし、市民と野党の共闘広げよう!!

 安倍政権が退陣し、後継の菅政権が発足して16日で1ヵ月になる。
「モリ・カケ・桜」に象徴される国政の私物化と、立憲政治と民主主義を踏みにじる強権政治を特色とした「安倍政治」を丸ごと継承すると宣言した新政権は、相変わらず国会審議を避ける一方で日本学術会議への政治的介入など、スタート早々から“強権政治”を加速している。 安倍政権の“大番頭”として終始政権運営の要に存在感を示し、官僚支配とメディア統制に強権を振るってきた手腕を、今度はトップとして「学問の自由」にも露骨な統制の手を広げてきたのは、当然の成り行きかもしれない。強権的に物事を進める手法は、政権の意向に反対する人々は排除されるという威圧感を与え、残った人々には一層政権に忖度する風潮を広げる危険性をもたらす。

 菅政権は今のところ、コロナ対策に注力することと、山積する政策課題に取り組むとして早期の解散・総選挙を行わない意向を示しているが、同時に自らの“アキレス腱”ともみられている「国会審議を通じた説明責任を果たす」ための“ディベート力”の欠如が露呈するのを避けるために、早くも国会審議に後ろ向きの姿勢を見せている。
 26日に召集される臨時国会では、学術会議介入問題をはじめ山積する問題への追及に対して堂々と、真摯に応えるべきである。野党もこの政権の隠ぺい体質や強権体質を余すところなく国民に明らかにし、一日も早く野党共闘の枠組みを確定し、野党と市民が一致して強権政治の追及に乗り出している姿を国民に明らかにすることが、何よりも求められている。
「安倍政治」が与党内の政権交代によって、これ以上ずるずると続くことを、国民は決して求めていない。半年以上見せつけられてきたコロナ感染症対策のお粗末な対応は、GOTOキャンペーンに象徴される経済優先の泥縄式感染症対策や、先の展望も見えないまま出入国規制の緩和に前のめりになる姿、第3波の感染拡大に備えても一向に進まない医療・保健体制の強化など、感染症対応はどの側面をとっても国民の不安解消には程遠い。
 世界の新型コロナ感染症罹患者数は4000万人に近づき、死者は110万人に近づいている。WHOは、感染した人はすでに地球人口の1割に達しているという推定も出している。コロナ後の社会のあり方についてこの1年近く、地球規模での経済社会のあり方の転換を求める声が相次いでいるが、日本政府は未だに「コロナ前への回帰」と、新自由主義政策にもとづく「成長経済の発展継続」路線から目が覚めていない。
 こうした政権を容認していては、この国は「食の確保」「エネルギーの確保」「水の確保」「介護ケア体制の確保」などに失敗し、国民の「暮らしの安全保障」に赤信号が灯り、世界から取り残されかねない。新しい政権はこうした地球規模での対応に迫られている長期的な政策への舵取りができないまま、目先の利便性や人々の損得感情に訴えて政権への支持を誘導する体質が濃厚に表れている。
 いまこそ広範な市民と野党は、この国のあらゆる知見を集めて「未来に希望が持てる社会・経済像」を提示し、それを実現できる政権の樹立に総力を挙げるべきである。
 年内の解散・総選挙の可能性は遠のき、来年以降に持ち越される公算が強まっているが、衆議院選挙は遅くても来年10月までにはやってくる。連帯兵庫みなせんは立憲野党とともに、兵庫県内12の選挙区すべてで野党統一候補をまとめつつある。野党は幅広い市民の支持と運動のすそ野を広げ、希望が持てる社会への実現に力を合わせたい。

2020年10月16日

連帯兵庫みなせん(平和と立憲主義、いのちと暮らしを守る市民選挙・連帯兵庫)